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2008年10月20日

有難うございました!

プログラム.jpg
全ての方に感謝して居ります。

千年もの間、人々を魅了し続けて来た『源氏物語』を、千年紀と言うまたと無い年に、私なりに何か形にして残したいと言う願いで企画を始めたこのリサイタルです。
『源氏物語』は文学だけに留まらず、音楽にも、美術にも、生活の中にも多くの影響をもたらしました。日本の伝統芸能に携わらせて頂き、音楽の枠を越えて日本の美しさを伝えて行くことが出来ればと願っている者として、とても良い題材だと思ったからです。

鼓、笛、琴、舞、語り芝居、香、花、竹、光、着物・・・

香炉.ajpg.jpg
いらして下さるお客様が、会場に足を踏み入れた瞬間に、平安時代の雅な世界を感じて頂けたらと、松栄堂さんにお願いし、お香を焚いて頂きました。
お香はこのリサイタルでは欠かせない演出としてとても大切にしたものの1つです。
舞台が明るくなり、佐伯先生に作って頂いた香炉を持って登場し、それを皆様との間に置いた瞬間、温かい空気が流れ、目に見えないもので会場が一体となった気持ちがしました。


一調一管の演奏「紫草」
紫草.jpg
作るのにとても苦労しました。やりたいと思う試みは沢山あるのですが、実際に音にして聴いてみるとあまり効果的でなかったり、あれこれと悩んでいると一調一管で表現出来ることは全てやり尽くされている様に思ったり・・・
先人の優れた感性に改めて圧倒されました。
源氏物語の序曲として作曲していましたが、あまりその時代に捕われ過ぎると今の私達が耳にして面白いと思えるのだろうか・・・純粋な邦楽演奏としてはこの1曲のみだし・・・などなど考えることが次々とありました。
手直しが必要ですが、大まかな流れとしてはそこそこに完成出来たのではないかと思っています。


舞「若紫」
若紫.jpg
演出をお願いしている笠井先生が能楽の方なので、企画当初予想していた舞とは遥かに異なり、日本舞踊ではなく仕舞に近い形になりました。歌も長唄ではなく謡掛りでしたし、衣装も長絹でしたので尚更です。型付けを自分でして舞える程ではないので、本当に苦労致しました。
動きが少ないからこそ、内に込める思いと凝縮する力の大切さ、それを開放すること・・・

前半は藤壷の君、皇后としての気品を持ちながら、心の内に秘める光源氏への愛と、その子を宿してしまったと言う世紀の事件を、死ぬまで自分1人で抱えて行くと言う決意。我が子と光源氏を守るため、自らを犠牲にし、我を殺して生きて行くことを表す舞。

若紫 源氏雛.jpg
後半はその藤壷の姪、若紫が光源氏に見出され、引きとられ育てられて行く。
自分のゆかりも行く末も未だ知らないあどけない少女。でも将来は・・・と少し憂いを感じさせる舞の演じ分け。
今回のプログラムの中で一番考え込んでしまった作品です。どうしても日本舞踊の動きが身に付いていますし、ただ能の物真似をしているようにはしたくなかったので本当に悩みました。
身動きが取れず正に手も足も出ない時、一度全ての型を捨て、藤壷として心に問いかけました。
今私はどの様な思いでここに居るのか?本心はどこにあるのか?何に魅かれるのか?
どうしたいのか?何に心を痛めているのか?何に心震えるのか?
自ずと身体が動き始め、心と身体がやっと一体化しました。
こんな感覚は初めてでしたのでとても新鮮でしたし、自分でも嬉しい発見でした(^.^)

一方10歳の若紫。
「手に摘みて いつしかも見む 紫の 根に通ひける 野辺の若草」
いつまでも傍に置いて見ておきたいと、瞬時に源氏が思いを寄せる程の愛らしい少女。
衣装の細田さんがとても可愛らしい源氏雛人形を作って下さり、殆ど素で!?遊んでいました♪

「耀」
耀.jpg
全く別の視点で捉え新しい世界を創りたいと思い、洋楽器とのコラボレーションを入れました。
鼓も打楽器ですので、打楽器と鼓だけで面白いものが作れないかと小栗克裕先生にお願いしました。
コンセプトをお伝えすると、先生はイメージを汲み取って下さり、独特の雰囲気の漂う素敵な作品を書いて下さいました!
ただ、鼓のパートに関しては、「ここはこう言うことをイメージして・・・」と言う注意書きばかりでアドリブばかりでしたので、「困ったなぁ。これでは1曲目も自分で作っているので、手の内でしか出来ないわ・・・」とまたまた悩みました。
打楽器の橘さんと岩附さんと3人で色々と相談して試しながら作って行きましたが、自由度が高い分、私が経験を重ねる度にもっと違う表現が出来、演奏するごとに別の表情が生まれるのではないかと思う作品で再演が楽しみです♪

私がデザインをしたものを基に、帯地で紫のドレスを作って頂いて着たのですが、とても評判が良く嬉しかったです。それにしても細田さんは天才!!


語り芝居「紫のゆかり」
ゆかりa.jpg
40分の予定でしたが、序の舞が入ったりして結局50分の1人語りになりました。
皆様の感想で一番多かったのが、良くあれだけの台詞を覚えたわね!と言うものです。
1人語りも初めてですが、台本が出来上がったのがほぼ2週間前でして、自分でもどうなることかと思っていました。当日のゲネプロでは一部を抜かしてしまい、途中で戻って無理矢理辻褄を合わせましたので、流石に自分でも心配でしたが、本番は無事でホッとしました。

六条院が落成し栄華の絶頂にある時から、子供の頃を懐古しながら語り、衣装替えを2回しつつ舞を舞って満月の前日にかぐや姫のように昇天するまでを描いています。

ゆかりb.jpg

光源氏の正室のような立場から、天皇家の姫の降嫁により、その座を奪われ失意の中で語る台詞「よそ目には過ぎた幸せ者に見えましても、私の心の苦しみはいや増すばかりで、今やその苦しみが私の命を永らえさせ、支える、祈りのようにさえ思えるのです・・・」
幼き頃に両親に分かれ、光源氏の愛だけを頼りに生きて来た紫の上。
一番近くに居る人と、最も心が離れてしまった苦しみ。
出家を願いながら叶えられることはありませんでしたが、紫の上の死後、1年の後に光源氏も後を追い、雲隠れに天上界に来る場面で、源氏の人形を抱えながら、やっと心が通い合い、二人きりで居られる幸せを感じることが出来ました。

打楽器.jpg
この長い芝居を支え、深みを加えて下さった箏の野田さん、笛の推峰さん、打楽器の橘さん、そして素晴らしい照明をして下さった小笠原さん、綺麗な衣装を沢山作って下さった細田さん、根気強くお付合い下さった演出の笠井先生、テキパキと仕切って下さった舞台監督、私のしつこい拘りに応えて下さったチラシ・プログラムデザインのいちのへさん、ご協賛下さった方々、松栄堂さん、パイオニアさん、関わって下さった全ての方々、そしてお忙しい中をお運び下さいましたお客様・・・本当に有難うございました。
どの方が欠けても出来なかったリサイタルです。
また次回に向けて頑張りたいと思いますので、今後共宜しくお願い申し上げます。

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